[2009/08/29 ほか多数 訪問]
名古屋に来たなら「何が何でも」必ずと言って良いほど立ち寄る店、「大甚」。この店に対する思いの強さは計り知れない・・・どこから書こうか・・・。
まず、存在を知ったのは、確か池波正太郎さんの「散歩のとき何か食べたくなって」だったと思う。当時のわたしはこの本はじめ、池波さんの好んだ店ばかり選んでいたのだ。高級店が多く、ボーナスが入った時でなければ入れない店が殆どだった。名古屋にもいつか行きたいと、思い焦がれていた。また、1997年に発刊された書籍にも「大甚」の店内と料理が掲載されていた。そして、太田和彦さんの著書や、居酒屋ブロガーさんの記事により、この店について徐々に理解に至ってきた。
かくして訪問。記録が残っている限りでは2009年に初めて暖簾をくぐったと思われる。店の真ん中の小皿料理を自ら手に取り、自席で頂くというスタイル。初訪問時は遅い時間だったからか、アテが少なかった。
翌年は友達3人で訪問。みんなでお盆で食べたいものをあれやこれやと頼み楽しんだ。この辺りからか・・・あまりにこの店を気に入ってしまい、ついには年に1度訪問するまでに至った。わたしにとって名古屋に来るということは「大甚」にお邪魔する、ということなのだ。
そんな中コロナ禍など、取り巻く環境が変わり、名古屋訪問も遠のいた。大甚も大変だったようだ。店舗継続のためクラウドファンディングも試みたという。
2022年の訪問時はメニューがかなり変わり、酒の種類・アテの種類。だいぶ幅広くなっていた。かつては裏メニューのように焼鳥やら鍋やら符丁の如くお店の方に頼んで常連気分で楽しんだものだが、しかしながら、未だに小皿料理が並ぶし、賀茂鶴の燗酒も健在。そしてオーダーメニューの黒板料理もまた美味いのだ。
開店時は長い行列ができる。奥行きのある店内、風格ある木のテーブルはいつも満席で、2階も混雑している。この賑わいも大甚の魅力。居酒屋の活気をそのまま体現したかのような店なのだ。うるさいのは苦手なんだけど、大甚の賑わいは別。老若男女、皆さん思い思いに酒を飲み、会話している。ここで燗酒を流し込むと名古屋に帰ってきた気持ちになる。
今は、昔のように定期的に名古屋に訪問するのも難しくなったが、また折を見て訪問し、あの喧騒の中で賀茂鶴とアテを楽しみたい・・・
現時点において、わたしの一番好きな居酒屋である。
<2026/04/25 記>

賀茂鶴の燗。大甚といえばこれ。わたしはまずビール大瓶を飲み干してからこちらを頼む。樽の香りがたまらない。昔は2合徳利2本くらい飲めたのだが、いまは「いっしょう」(1合)で十分

中央のテーブルに並ぶ小皿料理。ここから客は自由に手に取り、皿を最後にカウントして勘定となる。兎に角、どれもこれも美味い

いわしの梅煮

酢味噌を和えた鳥貝

北寄貝を和えたもの

串カツは八丁味噌で

刺身は調理場に対し直接オーダーする。こちらはぶり。脂乗りが最高

かしわ

帆立グラタン。こんなものもあるんかい。黒板からのオーダーメニュー

もろこ。よく頼みがち

お隣岐阜の名産、明宝ハム

穴子の刻み。これも好きでよく頼む

茹で海老

かつて一番のお気に入りだったのが、この締めさば。花のように盛り付けられ、酢の下限と刻み生姜が心地よかった。こちらは現在、販売していないようだ

冬場の楽しみ、ひとり鍋

煮穴子もよく頼む。思えば食べるものはそんなに変わらない。近年はオーダーものも積極的に頼むようにしている

千枚漬

ペンネサラダは当時、土曜限定だった。大甚には土曜にお邪魔することが多々あったので、やはりこちらも良く頂いた。今もあるのだろうか

こちらの、ネギを和えたイワシ煮も美味かった

にこごり。しめ鯖以前は、先代3代目時代のもの

店舗外観
| 大甚 本店 |
| 〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄1丁目5−6 |